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🌍 箱庭あそびでひろがる子どもの世界観

[2025.09.16]

「小さな世界に、大きな気持ちをのせて」

シードでは、子どもたちの心の表現を大切にする活動のひとつとして「箱庭あそび」を取り入れています。箱庭とは、砂の入った箱の中にフィギュアやブロック、自然物などを自由に配置し、自分だけの小さな世界を作る遊びです。心理療法にも用いられる方法であり、子どもたちが言葉では表せない気持ちを表現する貴重な場となります。

最初はただ砂を触って感触を楽しむだけだった子も、少しずつ人形を置いたり道を作ったりと、自分なりの物語を描き始めます。ある子は動物をたくさん並べて「ここは森だよ!」と嬉しそうに教えてくれます。別の子は道路や車を並べ「おでかけの道」を作り、そこには日常生活の再現や願いが込められているように見えます。

箱庭あそびの魅力は、子どもが「自分の世界を自由に表現できる」ことです。決まりや正解がないからこそ、安心して自分の思いを形にできます。その中には、普段の生活では見えにくい心の動きや願いが映し出されることもあります。

スタッフは「何を作ったの?」と問い詰めるのではなく、子どもの表現を受け止め、「すてきだね」「おもしろい世界だね」と共感を示します。それによって子どもは「見てもらえた」「認めてもらえた」という安心感を得られ、自分の表現に自信を持つようになります。

また、箱庭あそびは創造力や空間認識を育むだけでなく、手指の巧緻性や集中力を高める効果もあります。砂をならす、フィギュアを並べるといった細かい動作は、作業療法的な側面も兼ね備えています。

保護者の方からは「家では見られない遊び方をしていて驚いた」「普段話さないことを作品を通して伝えてくれているように感じる」といった声も寄せられています。箱庭は、子どもの心と向き合う“もう一つの窓”と言えるでしょう。

私たちは、この活動を単なる遊びとしてではなく、子どもが自分の気持ちを安心して表現できる大切なツールとして位置づけています。そしてその表現を尊重し、子どもの成長や心の安定につなげていくことを大切にしています。

箱庭あそびを通じて生まれる「自分だけの世界観」は、子どもたちにとって大きな力となります。シードではこれからも、子どもたちが安心して心を開き、自分を表現できる場を大切に育んでいきたいと考えています。

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